小字北村商店
私たちの理念は、「自然に対する人為的な関与をできるだけ少なくし、自然界がもつ力を最大限に発揮させることで、人類がより豊かな生活水準を達成することへ貢献すること」です。
自然に対する関与を少なくする、その方法が肥料や農薬を使用しない方法で農作物を生産することです。この方法にこそ、大自然の恩恵を余すことなく享受するヒントがあると私たちは考えています。
その具体的な方法として「自然農法」を選択しています。今は、自然界から生まれる力がさらに現状を向上させる正のスパイラルを生み、生産物は年々増加し、その恩恵に日々感謝しています。
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地域固有性の発現による農業・農村の創造
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中塚雅也

農の6次産業化と地域振興
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日本型直接支払

ーーーーーはじめにーーーーー
農村では、都市部に先駆けて高齢化が進み、
地域資源の維持・継承が大きな課題となっている。

 

2015年の食料・農業・農村基本計画でも重要項目として位置付けられており、
地域コミュニティによる農地・農業用水等の保全活動を促進する政策的支援が行なわれている。

 

2015年4月に施行された、「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」は、
農業の多面的機能の維持発揮のための活動に支援を行うものである。

 

この法律に基づいて農業の多面的機能を発揮するための施策として、
農地・水保全管理支払制度を拡充した多面的機能支払制度と、
中山間地域等直接支払制度及び環境保全型農業直接支払制度からなる
日本型直接支払制度が創設された。

 

現在、こうした日本型直接支払制度は全国的にどの程度拡大しているのだろうか。

 

 

ーーーーー課題ーーーーー
日本型直接支払制度とはどのようなものか。
その実施状況(2017年度)はどうか。

 


ーーーーー結果ーーーーー
日本型直接支払制度の実施状況データは、
2017年度の交付金実施状況見込みのものによる(農林水産省、2018a:農林水産省、2018b:農林水産省、2018c)。
これは、2018年1月末に取りまとめられた概数であり、今後数値の変更がありうる。


◯多面的機能支払制度
農業農村は、国土保全、水源涵養、環境保全、景観形成などの多面的機能を有しており、
その利益は広く国民が享受している。

 

将来に渡り、こうした多面的機能の維持を図るためには、
地域コミュニティによる農地、農業用水、農道などの資源の基礎的な保全活動や質的向上は必要である。

 

しかし、農村地域の過疎化、高齢化の進行に伴って集落機能が低下しており、
地域の共同活動によって支えられている多面的機能の発揮において支障が生じつつある。

 

また、共同活動が困難になることから、
担い手農家への資源の保全管理に対する負担が増加することが懸念されている。

 

このため、多面的機能発揮に関わる地域共同活動への支援を行い、
地域資源の適切な保全管理が推進されている。

 

多面的機能支払いには、
保全活動への支援施策として農地維持支払、
質的向上への支援施策として資源向上支払がある。

資源向上支払には、地域資源の質的向上を図る活動と施設の長寿命化を図る活動の
2つの活動に対する支援がある。

 

2017年度の多面的機能支払制度に対する予算概算決定額は48,251百万円であった。

 

□農地維持支払
多面的機能を支える共同活動を支援。
対象者:農業者のみ又は農業者及びその他の者(地域住民、団体など)で構成する活動組織
対象活動:法面草刈、水路の泥上などの農用地、水路、農道等の地域資源の基礎的な保全取組
取組市町村数 1,429
取組組織数 28,291
取組面積 2,266,000ha

 

□資源向上支払(地域資源の質的向上を図る共同活動)
対象者:農業者及びその他の者(地域住民、団体など)で構成する活動組織
対象活動:水路、農道、ため池の軽微な補修、農村環境の保全などの取組への支援。
取組市町村数 1,283
取組組織数 22,298
取組面積 2,001,000ha

 

□資源向上支払(施設の長寿命化のための活動)
対象者:農業者及びその他の者(地域住民、団体など)で構成する活動組織
対象活動:農業用用排水路などの施設の長寿命化のための補修・更新などの取組への支援。
取組市町村数 864
取組組織数 11,588
取組面積 690,000ha


表1. 多面的機能支払制度での交付単価

スライド1.gif

 


◯中山間地域等直接支払制度
農業の生産条件が不利な地域における農業生産活動を継続するため、国及び地方自治体による支援である。

国が費用の半分を負担し、地方自治体を通じた支援を2000年から実施されている。

 

集落などを単位として、農用地を維持管理する協定を締結し、農業生産活動を行う場合、
面積に応じて一定額が交付される。

 

2017年度の中山間地域等直接支払制度に対する予算概算決定額は26,300百万円であった。

 

□中山間地域等直接支払交付金
対象者:集落などを単位とする協定を締結し、5年間農業生産活動を継続する農業者等
対象地域:地域振興立法で指定された地域において、傾斜がある等の基準を満たす農用地
取組市町村数 996
取組組織数 25,871
取組面積 663,000ha

 

表2. 中山間地域等直接支払制度での交付単価

スライド2.gif

◯環境保全型農業直接支払制度
1999年の食料・農業・農村基本法において、
第4条、32条で農業の自然循環機能の維持増進することで、農業の持続的発展を図ることが記されている。

 

1992年に環境保全型農業が政策的に位置付けられ、
1999年の食料・農業・農村基本法において自然循環機能の維持増進が明記、
また持続農業法においてエコファーマーが認定支援されることとなった。
2006年、有機農業推進法が施行され、
2007年から農地・水・環境保全向上対策として地域ぐるみでの化学肥料・農薬の削減支援が実施。
2011年から環境保全型農業直接支援対策で地球温暖化防止や生物多様性保全への取り組みの支援が追加された。
2015年、多面的機能発揮促進法が施行された。

 

2015年の食料・農業・農村基本計画においても、
有機農産物の生産拡大を推進や環境保全型農業直接支払制度により地域で環境保全型農業の取り組みを推進している。

 

2017年度の環境保全型農業直接支払制度に対する予算概算決定額は2,410百万円であった。


□環境保全型農業直接支払交付金
対象者:農業者の組織する団体、一定の条件を満たす農業者等
対象活動:化学肥料、化学合成農薬を5割以上提言する取り組みと合わせて行う地球温暖化防止や生物多様性保全に効果の高い営農活動
取組市町村数 899
取組組織数 3,841
取組面積 89,778ha

 

 ◯支援対象取組別の取組面積
  ◯◯地球温暖化防止に効果の高い営農活動
   カバークロップ 18,437ha 21%
   堆肥の施用 20,048ha 22%
  ◯◯生物多様性保全に効果の高い営農活動
   有機農業 14,593ha 16%

 ◯作物区分別の取組面積
  水稲 62,840ha 70%
  麦・豆類 10,755ha 12%
  いも・野菜類 7,382ha 8%
  果樹・茶 1,951ha 2%
  花き・その他 6,850ha 8%

 

表3. 環境保全型農業直接支払制度での交付単価

スライド3.gif
ーーーーー参考資料ーーーーー
農林水産省(2018a)「平成29年度多面的機能支払交付金の実施状況(見込み)」()[2018年3月22日].
農林水産省(2018b)「平成29年度中山間地域等直接支払交付金の実施状況(見込み)」()[2018年3月22日].
農林水産省(2018c)「平成29年度環境保全型農業直接支払交付金の実施状況(見込み)」()[2018年3月22日].

 

ーーーーー編著者ーーーーー
2018年3月22日 初版発行
著者 國吉賢吾

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