小字北村商店
私たちの理念は、「自然に対する人為的な関与をできるだけ少なくし、自然界がもつ力を最大限に発揮させることで、人類がより豊かな生活水準を達成することへ貢献すること」です。
自然に対する関与を少なくする、その方法が肥料や農薬を使用しない方法で農作物を生産することです。この方法にこそ、大自然の恩恵を余すことなく享受するヒントがあると私たちは考えています。
その具体的な方法として「自然農法」を選択しています。今は、自然界から生まれる力がさらに現状を向上させる正のスパイラルを生み、生産物は年々増加し、その恩恵に日々感謝しています。
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中塚雅也

農の6次産業化と地域振興
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クラウドファンディング(出資型)


□クラウドファンディング(出資型)□


ーーーーーはじめにーーーーー
農業を開始する際には、資金が必要である。

 

しかし、新規就農者などの実績をもたない者には、
各種金融機関の態度は厳しく、融資を受けるにはハードルが高い。

 

近年、クラウドファンディングという、たくさんの一般個人から小口で資金を調達し、
事業を実施できる方法が拡大している。

 

クラウドファンティングとは、どのようなものであるのか、
それは農業においても活用可能なものであるのか、を検討する。


ーーーーー課題ーーーーー
クラウドファンディング(出資型)について明らかにする。


ーーーーー結果ーーーーー
クラウドファンティングとは、群衆からの資金調達の語を用いた造語であり、
明確な定義がされているわけではない(坂下他、2014)。

 

クラウドファンディングは、
資金調達したい個人や企業と、資金を運用したい不特定多数の個人とを、
運営会社がインターネット上のプラットフォームでマッチングさせるサービスであり、
資金調達者が必要な金額を申し出て、資金調達者が資金使途やリスクを勘案して提供に値すると考えれば実行される(内田、2017)。

 

クラウドファンディングは、資金の性質によって、
貸出、出資、購入、寄付に細分化できる。
貸出はソーシャルレンディングとして、運営されている。

 

矢野経済研究所によると、
2015年度には363億円と日本市場規模は拡大しており、
寄付型0.4%、購入型9.0%、出資型1.9%、貸出型88.7%となっている。

 

 

ここでは、坂下他(2014)での、出資型を実施するミュージックセキュリティーズについてまとめる。

 

ミュージックセキュリティーズは、マイクロ投資プラットフォーム「セキュリテ」を運営している。

 

個人が小口の資金から事業に投資できる仕組みであり、
投資を受ける企業は事業単位で資金調達ができる。

 

このプラットフォームは法的には、匿名組合契約によって成立している。

 

匿名組合契約とは、当事者の一方が相手方の営業のために出資をなし、
相手方はその営業より生ずる利益を分配することを約する商法上の契約である(商法535条)。

 

この契約では、営業者と匿名組合員の間の2当事者間の契約であり、組合員相互間には法律関係はない。

営業財産は、匿名組合員の出資分を含めて、営業者の財産となり、

 

匿名組合員は、営業ないし営業財産に持分を持たず、
営業者に対する契約上の債権のみを有する(商法536条1項)。

 

契約上の債権とは、営業者から利益分配を受ける利益配分請求権と営業監視権である。

匿名組合は、あくまで出資であり、消費貸借とは異なるため、
匿名組合員は確定した金額を受ける権利を持たない。

 

マイクロ投資の基本構造は、匿名組合契約を利用して、
事業者がウェブを通じて比較的小口で組合員を募集し、
集まった資金をもとに事業を行い、
契約に基づきその売り上げの一部を組合員に分配する。

 

匿名組合は、事業者が自身で行いうるが、
匿名組合契約で収益分配を受ける権利は金融商品取引法では「みなし有価証券」とされ、
その売買・媒介などを行うには、第二種金融商品取引業として登録を受けなければならない。

 

これら契約の募集を行う仕組みや法律上のハードルを一般事業者が乗り越えることは難しいため、
第二種金融商品取引業の登録を受け、ウェブでのファンド募集をプラットフォームで提供する
ミュージクセキュリティーズが、事業者から事業委託を受けて、匿名組合員の募集、
契約締結などの事務を行うことによって、
中小企業でもクラウドファンディングによる資金調達が可能となる。

 

 

20180321マイクロ投資プラットフォームの仕組み.gif

図1.マイクロ投資プラットフォームの仕組み
資料)坂下他(2014)を参考にして筆者作成.


ーーーーー参考資料ーーーーー

内田聡(2017)『明日をつくる地域金融 イノベーションを支えるエコシステム』昭和堂.
坂下晃・成澤寛・海宝賢一郎(2014)「クラウドファンディングによる資金調達の事例研究(ミュージックセキュリティーず、岡山県・西粟倉村、maneo、SBIソーシャルレンディング、AQUSH)」

 

ーーーーー編著者ーーーーー
2018年3月21日 初版発行
著者 國吉賢吾

| その他 | 08:25 | comments(0) | - |
秋川牧園


---------はじめに-------
農業は、他産業と比較して資本投資に対する利潤が相対的に少ないと言われている。


祖田(2017)は、資本主義社会において資本効率が低い産業に対する投資は避けられ、農業へ投資される見込みは低い。

 

しかし、農業はそれが営まれているだけで外部効果があり、水田による水涵養効果など様々な利点が存在し、それらを評価すると約10兆円前後の効果があるとされている。

こうした、取引関係のないものへの正の外部効果を持つ農業は投資が避けられる以上、政府によって再配置される必要があると考えられている。

 


近年、農業を事業として営む企業は増加しており、また集落営農などの集団化する例も多い。しかし、大きな利益を生んでいるかといえばそうでない場合も多い。そうした中、農業を営む企業として初めて株式市場への上場を成し遂げたのが(株)秋川牧園である。

 


この企業を分析することで、農業を営む事業体が、上場まで果たすにはどのようにすればよいか、のヒントが得られるかもしれない。

 


---------課題----------
農企業唯一の上場企業「秋川牧園」の決算内容を読み解く

 

-----結果-----
売上高 2017年3月期 5,399百万円(3.2%)
売上高 2016年3月期 5,231百万円(8.3%)

 

営業利益 2017年3月期 137百万円(55.9%)
営業利益 2016年3月期 88百万円(17.7%)

 

経常利益 2017年3月期 142百万円(63.2%)
経常利益 2016年3月期 87百万円(20.8%)

 

1株当たり当期純利益 2017年3月期 23.91円
1株当たり当期純利益 2016年3月期 12.81円

 

売上高営業利益率 2017年3月期 2.5%
売上高営業利益率 2016年3月期 1.7%

 

自己資本比率 2017年3月期 33.5%
自己資本比率 2016年3月期 33.6%

 

期末発行済株式数 2017年3月期 4,179,000株
期末発行済株式数 2016年3月期 4,179,000株


セグメントは生産卸売事業と直販事業の2つである。
生産卸売事業は鶏肉及び冷凍加工食品を中心としており、売上高は42億61百万円、営業利益は4億31百万円。
直販事業は全国向けの宅配や通販事業を行う会社への販売を実施しており、売上高11億37百万円、営業利益は4百万円。

 

 

今後の見通しとして、ブランド強化、鶏肉生産能力増強、工場での生産性向上、加工品の食品開発に取り組むことでコスト競争力を高めつつ、販売拡大を目指す。

 

 

1970年代から先駆的に取り組んできた食の安心・安全は、多くの消費者が認める価値観となった。グループとして、
1、持続可能で真に豊かな社会への変革に貢献
2、理想の農業を追求
3、ひとりひとりの主体性を起点に、活力溢れる会社を
という3つの企業理念で「地域循環型・農ある豊かな暮らしづくり」のビジョンを掲げている。

 

目標とする経営指標は売上高経常利益率3%以上を設定している。

 

 

会計年度H29/3/31 (単位:千円)

資産の部
流動資産
現金及び預金 819,083
受取手形及び売掛金 625,929
商品及び製品 142,428
仕掛品 167,231
未収金 132,344
その他
ーーーーーーーー流動資産合計 2,018,925
固定資産
有形固定資産
建物及び構築物 2,094,346
減価償却累計額 -1,318,560
機械装置及び運搬具 1,433,061
減価償却累計額 -1,079,075
土地 956,966
その他
ーーーーーーーー有形固定資産合計 2,265,116
無形固定資産
その他
ーーーーーーーー無形固定資産合計 80,900
ーーーーーーーー固定資産合計 2,463,546
ーーーーーーーー資産合計 4,482,472


負債の部
流動負債
支払手形及び買掛金 409,634
短期借入金 961,171
その他
ーーーーーーーー流動負債合計 1,764,436
固定負債
長期借入金 891.201
その他
ーーーーーーーー固定負債合計 1,218,300
ーーーーーーーー負債合計 2,982,736


売上高 5,399,241
売上原価 4,012,596
ーーーーーーーーーーー
売上総利益 1,386,644
販売費及び一般管理費 1,249,057
ーーーーーーーーーーー
営業利益 137,587
営業外収益合計 17,114
営業外費用合計 12,590
ーーーーーーーーーーー
経常利益 142,111

当期純利益 99,733

 

---------参考資料----------
祖田修(2017)「農学原論―農業・農村・農学の論理と展望 (祖田修著作選集)」,農林統計協会.



秋川牧園(2017)「平成29年3月期決算短信[日本基準](連結)」(https://www.akikawabokuen.com/ir/pdf/29_3.pdf)[2018/3/10参照]

| その他 | 21:24 | comments(0) | - |
農業のナレッジマネジメント

ーーーはじめにーーー
農業は、一次産業であるが、動植物・化学・気象・土壌・土木・水利用・機械・経営・経済といった幅広い知識と経験を基に成立する高度な知的産業である。

 

知的産業においては、知的財産の管理が重要である。ここでいう知的財産とは、特許や商標といった法的権利だけでなく、技術や経験によるノウハウや品種、生産技術、ブランド価値なども含んでいる。

 

今、農業は大きな転換点にあり、生産現場での農家の高齢化が進む一方で、企業参入や6次産業化などによって新たな主体も、農村で活動している。

 

また、ICTやロボットなどの活用も拡大している産業である。こうした状況で農業を地域の産業として成立させるためには、地域の独自性を発揮して、差別化された商品や生産プロセス開発に取り組む必要性がある。

 

 

これまで現場で築き上げてきた技術や商品を継続的に産出するためには、個々の経営者が自分たちがもつ知的財産を再確認し、その管理の在り方を見直す必要性がある。

 

 

ーーー課題ーーー
農業者におけるノウハウの存在と管理の実態

 

 

ーーー資料ーーー
農林水産省食料産業局知的財産課(2018)「農業分野における生産技術・ノウハウ等の知的財産としての管理に関するアンケート調査 調査結果報告書」(http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/chizai/attach/pdf/180312-9.pdf)[2018/3/12参照].

 

 

 

ーーー結果ーーー
農産物の生産方法に関して、
農業者は主に「土作りの手法」や「施肥の手法」をノウハウとして認識している。

 


また、それらの獲得方法は自らの努力で獲得されているものが多く、
次に続くものとして第三者から入手している。

 

 

それらのノウハウは自身の地域内の農業従事者と共有している場合が多い。

生産に関するノウハウを、財産的な価値があると認識している農業者も多いが(41%)、
それらのノウハウを何らかの方法で管理している農業者はわずか8%と非常に少ない。
業種別にみると、肉用牛などの畜産で最も管理割合が高い。

 

 

生産ノウハウを管理しつつ、地域内の農業従事者に教えているという農業者も存在する。
これらは生産ノウハウを地域内で共有しつつ、それらを他者と連携して保護している可能性がある。

 

生産ノウハウを持つと回答する農業者が多いなかで、
それらは明示化されていない場合が多い(明示化されているものは約40%)
具体的な明示内容としては、栽培歴・生産履歴・栽培日誌・生産工程などであり、
それらはメモや電子媒体、マニュアルなど様々な方法で保存されている。

 

 

また、農業者が生産方法に関して他人に知られたくないものとして、
取引先が最も高く(28%)、土作り・施肥手法、取引価格(21%)がそれに続く。

 

しかし、その多くは管理されておらず(約70%)、

管理方法としては、口外しないこと、自身のみが作業実施する等の方法がとられている。


ーーー所感ーーー
農業者は基本的に自身、もしくは第三者より農業に関するノウハウを入手している。
ノウハウは蓄積していると思われるが、財産として認識される割合は少なく、
管理はほとんどの農業者において実施されていない。

 

 

これから農業者は自身が経営者であることを認識し、
農業における知的財産とは何か、ということを改めて学びなおし、
それぞれの経営体がもつノウハウをしっかりと管理してゆく体制を整えていくことが必要であろう。

| その他 | 11:42 | comments(0) | - |
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